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ヴェネツィア絵画のきらめき展 [07展覧会感想]

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されている「ヴェネツィア絵画のきらめき」展を鑑賞しました。この展覧会は、神話や宗教画だけでなく、幻想的な風景画、祝祭に彩られたヴェネツィアの市民生活を描く風俗画など幅広いテーマの作品により、水の都とその精華ともいうべき絵画芸術の魅力を、ヴェネツィア絵画が隆盛を極めた15世紀から18世紀に焦点を当て、ティツィアーノやティントレット、ヴェロネーゼらの巨匠たちを輩出したルネサンスから、カナレット、ティエポロ、ロンギなどが活躍した18世紀までの黄金期を、イタリアの個人コレクションや国公立美術館所蔵の作品を中心に、40作家による71点で紹介するものだそうです。

~展示構成~ 1.宗教・神話・寓意 2.統領(ドージェ)のヴェネツィア 3.都市の相貌

ジョヴァンニ・ベッリーニと工房(ニコロ・ロンディネッリ?)《聖母子と洗礼者聖ヨハネ》ジョヴァンニ・ベッリーニと工房(ニコロ・ロンディネッリ?)《聖母子と洗礼者聖ヨハネ》は1500年頃の作品だそうだ。すんごい綺麗だな~と思ったら最近修復されたとのこと。青、赤、緑、そして白。チラシでみるのとは明らかに色合いが違います。聖母子と洗礼者聖ヨハネの後ろに緑の布がかけられています。その布の上と左右から背景(風景)がちょろっとみえる。とても奥行きが感じられますが、ちょっと珍しいかも。聖母子の肌の質感もなめらかでしっとりとした感じで見応えがある。サイトの説明によると「聖母信仰を特徴とするカトリックにおいて、最も好まれた図像は聖母子像であり、ヴェネツィア派の多くの画家もこれを盛んに描いていました。特に本展出品作品であるジョヴァンニ・ベッリーニとその工房の作とされる洗練された聖母子像は、「色彩のヴェネツィア派」の初期における方向性を知る上で重要な作品といえます。それはジョヴァンニ・ベッリーニが、1483年にヴェネツィア共和国の公式画家となり、その後のヴェネツィア派を担うジョルジョーネやティツィアーノといった画家を弟子に従え、大規模な工房を経営していたことからも伺えます。」とのこと。この重要な意味を持つ作品を修復された綺麗な状態で鑑賞できるというのは素晴らしいことかも。修復前の歴史の重みを存分に感じることができる状態のものも見たい気もするけどね!ヾ( ̄ー ̄)ゞ

ティツィアーノ・ヴェチェリオ《洗礼者聖ヨハネの首をもつサロメ》ティツィアーノ・ヴェチェリオ《洗礼者聖ヨハネの首をもつサロメ》はチラシの表にある作品。今回とても楽しみにしていた作品、これを観るために来たと言っても過言ではない。大本命。一言でいうと、ずばり、素晴らしい。ティツィアーノの初期の傑作で多くの画家に模写されてきたそうです。会場の作品解説によると、「燃えるように赤い衣、それを中心とした色遣いに、既に色彩画家としての本領が発揮されている」とのこと。サロメが綺麗で、その瞳はとても魅力的。でも頬に垂れる髪はちょっと邪魔かな。ちなみにこの首はティツィアーノの自画像だそうです。サイトの説明によると「ティツィアーノはまさにヴェネツィアを代表する画家であり、その作風は近代油彩画の先駆ともいわれています。彼の生み出す理想化された優美な女性表現には定評があり、本展出品作であるサロメ像においても、その才能は遺憾なく発揮されています。ここでは鮮やかな赤を中心とする軽快な色彩表現もさることながら、自らが持つ皿に聖者の生首が載せられているという非日常的な状況の解釈はきわめて魅力的です。若い女性の端整な美しさ、その微妙な視線の織り成す張り詰めた緊張感、そして静寂。その背景にあるのは、絶頂期を迎えたヴェネツィア美術における高度な美の理念なのです。」とのこと。チーマ・ダ・コネリアーノ《風景の中の聖母子》もとても見応えのあるもの。この最初の展示室が、私にとってはこの展覧会の全て、かな。。。ヾ( ̄ー ̄)ゞ

パオロ・ヴェロネーゼ《キリストと刑吏たち(エッケ・ホモ)》は、キリストの身体の繊細な描写が特徴的な晩年の傑作だそうだ。確かに肌の質感等は素晴らしいが、繊細なぶんだけとても痛々しい。。。(T_T)どうしてこういう絵を描くのかな・・・観ていると気持ちが沈んでくる。だから宗教画はあまり得意ではないのかも。。。アントニオ・ザンキ《善きサマリア人》はルカの福音書の復活の場面だそうだ。とても迫力がある。ドメニコ・カンパニョーラ《トビアスと天使》は天使の赤、白、肌の質感が綺麗で素晴らしい。犬がポイント!?(^_^;)

ジャンバッティスタ・ピットーニ《寓意のモニュメント(アイザック・ニュートンに捧げる)》フランチェスコ・モンティ《寓意のモニュメント(ウィリアム・クーパーに捧げる)》はともにグレーの見応えのあるもの。額縁がなんか凄いぞー!ドメニコ・フェッティ《メランコリア》は代表作のひとつだそうだ。メランコリアとは憂鬱質の気性という意味だそうで、犬、どくろ、書物、幾何学を象徴する球体憂鬱のモチーフとのこと。上から垂れ下がった植物(つる)がちょっと枯れた感じでいい味を出している。

ヤコポ・ティントレット《愛の始まりの寓意》はいかにも神話って感じの作品。第一印象は、でかいっ!!チラシに掲載されているものだが、本物の持つ存在感や迫力はやはり違う。内面から光ってるねぇ~(^_^)/ジャン・ベッティーノ・チニャローリ《聖母子》はとても優しく柔らかい作品。この展覧会、聖母子がいっぱいだー!いずれも素晴らしい作品。ジャンバッティスタ・ティエポロ《聖母子と聖フィリッポ・ネーリ》は小さな作品だがとても見応えのあるもの。左上の聖母子と右下の聖フィリッポ・ネーリの構図のバランスが素敵でした。フランチェスコ・ズッカレッリ《アルカディア的風景》ジャンバッティスタ・ピットーニ《聖母子と聖ヨセフを礼拝する聖女テレサと聖ペテロ、聖女ウルスラ、司教》も見応えのあるものでした♪

カナレットとベロットはセットもの!?

カナレット《サン・ジョルジョ・マッジョーレ島と税関》カナレット《サン・ジョルジョ・マッジョーレ島と税関》は水面がとても綺麗な作品。《パーリア橋からの眺め、埠頭とパラッツォ・ドゥカーレ》「遠近法による理知的な画面構成と落ち着いて柔らかな光のトーンにより、代表作のひとつに数えられている」そうだ。右側から見ると遠近感が一層際立ってナイス!ベルナルド・ベロット《サン・マルコ広場》ベルナルド・ベロットも《サン・マルコ広場とプチントーロ》《サン・マルコ広場》の2点。《サン・マルコ広場》の雲がいいね~(^_^)「ベロットは伯父カナレットから強い影響を受けているが、より客観的で硬質な画風が特徴」だそうだ。そういえば、カナレットとベルナルド・ベロットって、いっつもセットで展示されているような気がするなぁ・・・ヾ( ̄ー ̄)ゞ昨年のエルミタージュ美術館展の記憶が甦ってきました♪ガブリエル・ベッラ《サンタ・マリア・デラ・サルーテ聖堂での婚礼》《サン・ピエトロ・ディ・カステッロでの水上パレード》《トーガの着衣式、ブローリオ》はカナレットやベロットよりもコントラストが強くてお硬い感じがする。並べてみると、カナレットやベロットの繊細さ、緻密さが、ずば抜けているように思える。

第2章は展示室は豪華だけど・・・という感じ。第3章もふぅ~んという感じ。やはり、第1章。特に聖母子を描いたものが素晴らしかったです♪(^_^)宗教画以外の作品が展示されているにもかかわらず宗教画に魅了される展覧会というのは、私にとってはかなり稀なこと。ヴェネツィアは東のビサンチン、北のゴシックの影響を受けた華やかな装飾性が特徴だそうで、具体的には、豊かな色彩と光の表現、細部を入念に描写するよりむしろ画面全体の雰囲気を大胆な筆致で見事に捉え、輝く色彩と光の効果による色彩的で感覚的な特徴を持つとのこと。確かに、この展覧会の宗教画は女性の肌の色や衣の青色、特に赤色が鮮やかで綺麗でした。宗教画特有の厳かな重苦しい雰囲気というのは少なく、見惚れてしまうような華麗な作品が多かったように思います。
Bunkamuraザ・ミュージアムのもうひとつの楽しみはソファー!!
今回は第1章、第2章の展示室は豪華な赤いソファー、第3章の展示室は紺色の落ち着いた感じのもの。ふかふかですわり心地の良さはさすがといったところ。また、この会場の照明は全体的に暖色系で暗めのため、印象派展ではちょっと作品がかわいそうだな~なんて感じますが、昨年のポンペイの輝き展や今回のように神話や宗教を描いたものの展示にはとても合っているように感じます。でも、来年はここでルノワール展が開催されるんですよね・・・ジロー (;¬ ¬)

・図録:2000円
・音声ガイド:500円

Bunkamuraザ・ミュージアム(http://www.bunkamura.co.jp/

特集ページ(http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/07_venezia/index.html



Bunkamura ザ・ミュージアム


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コメント 20

おぉぉぉっ!Σ(ヾ ̄▽ ̄)ヾ!!今回も盛りだくさんな内容ですねっ!
その中でも風景画の好きな私は、カナレットがお気に召しましたっ♪
ステキですね~っ
ああいう絵を飾れたら我が家も高級感が漂うんだろうなぁ?
なんて、ボーッと考えちゃいました(笑)
はい。無理ですけどね~っ(/ー\*)  くぅの絵だけで精一杯(笑)
by (2007-10-17 20:34) 

りゅう

>空さん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
またまた招待券での鑑賞でした~♪(=^_^=) ヘヘヘ
カナレットの描く水面は綺麗ですよ~、やはりヴェネツィアは水がポイントです。
って、街そのものが水没の危機に瀕しています。。。。。ジロー (;¬ ¬)
くぅちゃんの絵があれば他には何も・・・
今年ももうすぐウサフェスタですねぇ~o(^ー^)oワクワク
by りゅう (2007-10-17 22:07) 

TaekoLovesParis

私も行ったのですが、カタログを買わなかったので、今、りゅうさんの記事を
読みながら、ひとつひとつ思い出しています。
肖像画は印象に残るものが少なく、地味でしたね。
やはり聖母子が秀逸でした。はいってすぐの「聖母子とヨハネ」と
「サロメ」、それから縦長の「聖母子と聖ヨセフを礼拝する、、」この3点
が、印象に残っています。
by TaekoLovesParis (2007-10-17 22:25) 

りゅう

>TaekoLovesParisさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
聖母子は秀逸でしたね~
やはり第1章に素晴らしいものが揃っていたように思います!(^_^)/
私も今回はカタログを買いませんでしたので、ティツィアーノ《洗礼者聖ヨハネの首をもつサロメ》のポストカードには飛びつきました♪ヾ( ̄ー ̄)ゞ
by りゅう (2007-10-17 22:37) 

くみみん

おはようございます。
宗教画、美しいのもあるけど心傷むってこちらには思われる物も多いですよね。それはそれなりにきっと信者の心を打つんでしょうけど…。
やっぱり救われるような絵が好き(単純なので(-_-;))♪
この展覧会はうーん…どうしようかなあ?って思っているんですよ。Bunkamuraって行くの不便なんですよね(^-^;
by くみみん (2007-10-18 08:19) 

りゅう

>kumiminさん、こんばんは。nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
今回の宗教画は女性美がメインのようで、癒し系の作品が多かったです♪
今回は新宿でベルト・モリゾ展を鑑賞してから渋谷へ移動しました。
ちなみに渋谷駅からは無料のシャトルバスもあります♪
by りゅう (2007-10-18 23:02) 

りゅう

>plotさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2007-10-20 23:53) 

りゅう

>pistacciさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2007-10-23 00:08) 

りゅう

>文化村通りクリニック 院長室さん、はじめまして。
TBありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2007-10-27 23:57) 

NO NAME

りゅうさん、こんにちは!

>豊かな色彩と光の表現、細部を入念に描写するよりむしろ画面全体の雰
>囲気を大胆な筆致で見事に捉え、輝く色彩と光の効果による色彩的で
>感覚的な特徴を持つとのこと

なるほどなるほど~!
こういう解説を読むとまた「ああ、そうだったなあ」というように思い返されます。

ところで、いつもお願いしようとして書き忘れていたのですが@_@
こちらのブログを私のブログからリンクさせていただきたいのですが、いかがでしょうか…可否の程、お聞かせくださいまし!
by NO NAME (2007-10-28 08:04) 

はな

うわ!失礼しました!
上の「NO NAME」は私です~+_+
by はな (2007-10-28 08:05) 

りゅう

>はなさん、こんにちは。TB&コメントありがとうございます(^o^)丿
「ヴェネツィア派ねぇ。。。ふぅ~ん・・・」という感じで観に行ったところ、『ヴェネツィア派って凄いかも~♪』と心地よい余韻に包まれて帰宅しました!
先日、過去の感想記事を整理していたところ、「いま甦る400年の記憶 大エルミタージュ美術館展 ヴェネツィア派からモネ、ゴーギャン、ルノワール、ピカソまで」なるものが!Σ(ヾ ̄▽ ̄)ヾ!!
私の記憶は甦ることなく完全に崩壊していました・・・(T_T)
グダグダでも感想記事を書いておいてよかったです。。。(;^_^ A フキフキ
リンクありがとうございます♪O(≧∇≦)O イエイ!!
これからもよろしくお願い致します♪ぺこ <(_ _)>
by りゅう (2007-10-28 10:47) 

サンフランシスコ人

以前、ニューヨークのメトロポリタン美術館で「カナレット」展を見ました。
by サンフランシスコ人 (2007-11-29 08:13) 

りゅう

>サンフランシスコ人さん、コメントありがとうございます(^o^)丿
カナレット展にはベルナルド・ベロットの作品も展示されていたのでしょうか?
ちなみに私はカナレットとベロットの区別がつきません・・・(^_^; アハハ…
by りゅう (2007-11-29 20:55) 

サンフランシスコ人

「ベルナルド・ベロットの作品も展示されていたのでしょうか?」

カナレットだけ。


「ちなみに私はカナレットとベロットの区別がつきません・」

ベロットの絵は、建物の影が大きいです。
by サンフランシスコ人 (2007-11-30 06:17) 

りゅう

>サンフランシスコ人さん、コメントありがとうございます(^o^)丿
カナレットだけでしたか~
た、建物の影ですか・・・Σ(ヾ ̄▽ ̄)ヾ!!
難しいですね。。。図録でチェックしてみます!(^_^)/
by りゅう (2007-11-30 22:56) 

サンフランシスコ人

カナレットに比較して、ベロットの建物の影は、暗い黒のように思われる。
by サンフランシスコ人 (2007-12-01 03:15) 

りゅう

>サンフランシスコ人さん、コメントありがとうございます(^o^)丿
暗い黒ですね。チェックしてみます♪(^_^)
by りゅう (2007-12-01 16:50) 

サンフランシスコ人

一般に、カナレットに比較して、ベロットの絵は心理的にも暗い。
by サンフランシスコ人 (2007-12-02 08:07) 

りゅう

>サンフランシスコ人さん、コメントありがとうございます(^o^)丿
より客観的で硬質な画風が特徴だそうですからね~
by りゅう (2007-12-02 22:15) 

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