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エルミタージュ幻想 [映画]

昨年、NHKBSで放送していたものを見ました。
最初は11月末のBSアーカイブス。

エルミタージュか~って、なんとなく興味を持って。
これがとても興味深く見応えのある作品で、録画しなかったことを後悔。。。

すると、12月末にBS・ベスト・オブ・ベストでも放送と。
よしっ、と、気合を入れて録画しました!

エルミタージュ幻想 [DVD]

エルミタージュ幻想 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • メディア: DVD

~Amazonの解説~
現代に生きる映画監督が、あるとき自分が19世紀のエルミタージュにいることに気づいた。しかし、彼の姿は誰にも見えていないようだ。やがて彼は、不思議な時間旅行を味わっていく……。
ロシアの名匠アレクサンドル・ソクーロフ監督が、世界の宝物たるエルミタージュ美術館の中に入りこみ、ハイビジョンキャメラを用いて、撮影は1日、すなわち本番1回、何と90分1カットで撮り上げた壮大なるアートフィルム。画面の外からの声を監督自身が担当し、彼と劇中のフランス外交官キュスティーヌ(セルゲイ・ドレイデン)との会話によってロシアの近世近代の歴史300年がひも解かれていく。圧巻なのはクライマックスの舞踏会で、流麗に動き回るカメラワークも功を奏し、幻想的なまでに美しい映像が展開されていく。まるで夢か幻かといった魅惑の90分。一度体験してみて損はない。(的田也寸志)
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『モレク神』のA・ソクーロフ監督が、90分ワンカットで描いた異色ムービー。現代に生きる映画監督は自分がエルミタージュ美術館にいることに気づく。彼は19世紀のフランス人外交官・キュスティーヌに導かれ、ロシア激動の歴史を巡る時間旅行へと赴く。



詳細な作品解説&ストーリーはこちら。(CINEMA TOPICS ONLINE)
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=3296


中心となる登場人物は二人。

DVDでは字幕のようですが、
この放送は日本語吹き替えでした。

この二人の声質と間合いが絶妙。
字幕版は見たことが無いので本来の二人の声質や間合いはわかりませんが、
この日本語吹き替えは本当に素晴らしい。

BSアーカイブス名作選
http://www.nhk.or.jp/archives/bs-archives/past/201011.html

NHKオンデマンド(有料) ※試聴あり
http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2010019697SA000/

キュースチン:青野武 (しゃがれた声)
陰の声:戸谷公次 (低くどっしりとした声)
 
【番組冒頭での作品解説】
エルミタージュ
フランス語で“隠者の庵”を意味するロシア文化の粋を集めた美術館。
18世紀にエカテリーナ二世がサンクト・ペテルブルクに建立した離宮と冬宮からなる。
3世紀にわたるロシアの歴史を見守ってきたエルミタージュ。
そこは、現在と過去が共存するところ。
現実と空想、繁栄と衰退、生者と死者、希望と絶望-
時空を超えて、すべてを包含する方舟なのです。
ロシアの方舟に迷い込んだ“私”は、歴史の栄華と混沌を追体験する中で問いかけます。
自分たちは、どこから来て、どこへ行こうとしているのか、と。
時間を駆け巡る一瞬の旅を、カメラは90分間ワンカットで見つめます。



90分1カットというとても革新的で挑戦的な作品。

映像が途切れないので、
その世界に入り込み、あたかも一緒に巡っているかのよう。

それでいて時間を行ったり来たりと展開するので、
ときに、幻想世界に迷い込んだようにも感じる。

エルミタージュ美術館という実在の場所で、
非現実的で独創的な世界が繰り広げられる。

とても美しい。

ただし、疲れているとき、寝不足のときは、オススメできません。
後半の大舞踏会の場面までは静かに流れていくので、確実に眠りに落ちます。。。(^_^;)
まぁ眠ってしまったとしても、舞踏会の場面で目を覚ますことになるでしょう。


☆☆☆

エル・グレコの作品の前で若い兄ちゃん(鑑賞者)にからむ場面は
かなりドキッとしました。。。(-_-;)

(作品の前でひざまづきながら)「アーメン アーメン」(※キュースチン)
「美しいですね」(※若い兄ちゃん)
「ええ、本当に」
「カトリック教徒ですか」
「いいえ、カトリックじゃありません」
「でも、それが何か?」

「んー、カトリック教会の創始者を描いた絵の前で物思いに沈んでいらしたようにお見受けしたものですから」
「そういったことは何も考えていませんでした」
「はーん、そうでしたか」
「はーん、これが聖ペテロと聖パウロの像だということはご存知で?」

「ええ、そう聞いています」
「ああなるほど そうきいたんですな」
「でー、どう思いました? え? ん?」

「見ているうちに この二人が気に入りました」
「気に入りましたか?」
「ええ 何時の日かすべての人は 彼らのようになるのでしょう」

「すべての人は・・・」

「ほほう、なぜ、あなたには人間の行く末がどうなるかおわかりになるのかね」

「きっとそうです」
「聖書すらご存じないはずのあなたが なぜ?」

(沈黙)

「なぜ黙っておられる?」

「彼らの手を見て・・・」
「美しい手です それがどうしました? ん?」

「聖書も知らずして、なぜ人間の行く末がわかりうるのですか」
「あなたにとってこの二人はただの薄汚い老人に過ぎないはずだ」
「単なる肉の塊」

「彼らが、埃にまみれて描かれているのは苦難の長い道のりを経てきたからです」
(兄ちゃんの発言にかぶせて)「埃まみれの肉体・・・」
「ああ」
『どうしました?』(※陰の声)
「彼らは立派で・・・ 賢い人たちです」
「福音書も読まずして、二人の人柄がわかるとおっしゃるのか」
「いったいどうやって知りえたのかね?」


『まだ脅かし続ける気ですか?』
『もう十分おびえていますよ』
「おびえてなんかいないさ この手の連中は何も恐れないんだ」
『放っておきなさい それより油絵の香りをかいで御覧なさい』
「はぁー」
「んー、いい香りだ~」

「そうでしょう」
「ん~」
「さてさて」

「汝 おそるるにたらず」
「いやはやこんなところでこの言葉を聞くとは思いもよらなかった」

「そうかここは美術館か
ああー そうかそうか わかってきたぞ
ここはロシア皇帝の美術館
中世の熱狂者の肖像画の前にいる我々は いったいどこをうろついてきたのだろう」
「んーーー」



背の高いキュースチンが若い兄ちゃんを
尋問するかのように問い詰めながら
ジリジリと壁際へ追いつめていく。。。

自分が問い詰められているかのように緊張した。
グサグサきた・・・(>_<)



毒舌だけどとても造詣が深い。
造詣が深いからこそ、言えるのかもしれない。

もちろんそれは絵画についての造詣だけではなく、
セーブル焼きについても音楽についても宗教についても歴史についても。
じつに様々なことに。

さすが外交官。

☆☆☆

圧巻は終盤の大舞踏会の場面。
グリンカのマズルカ。
マエストロ・ゲルギエフの華やかで流麗な演奏と、
抜群のカメラワーク。
このカメラワークは本当に凄い!!
これぞワンカットの凄み。

ブラボー! ブラボー!! ブラボー!!!

スパシーバ!!


☆☆☆

「エルミタージュ」の美術館としての側面【現在】と
冬宮(宮殿)としての側面【過去】を
二人の掛け合いとともにワンカットで堪能できるとても興味深い作品。

予備知識としてロシア史を知る必要は無いが、
世界史を知っているとより深く楽しめる。


原題は『Russian Ark ロシアの方舟』

なぜこのようなタイトルがつけられたのか、
一番最後まできて、ようやくわかった気がする。

なんとなくだけど。



撮影は、年の瀬も迫ったクリスマス、12月23日の1日だけ。
マエストロのスケジュールがこの日しか空いていなかったとのこと。



私も西美の常設などではかなり自由気ままに鑑賞していますが、
さすがに、彼のように作品の前でひざまづいて祈ったり、ダンスを踊ったり、
他の鑑賞者に声をかけたりということまでは。。。

ちなみに仏像展で仏さまに手を合わせている方は何度もお見かけした事があります。
私はまだその域にまでは達していないので、まだまだ甘ちゃんなのかな~

他の鑑賞者の迷惑にならない範囲で、精進したいと思います。(^_^;)


ヤギのような男、キュースチン。(* ̄m ̄) プププッ


大エルミタージュ美術館展 感想記事
http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2006-11-03


チャイコフスキ-/バレエ<くるみ割り人形>

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  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 2010/03/24
  • メディア: CD

1812年~ロシア管弦楽名曲集

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  • アーティスト: グリンカ,ハチャトゥリャン,ボロディン,チャイコフスキー,ゲルギエフ(ワレリー),キーロフ歌劇場管弦楽団,オランダ王立海軍軍楽隊
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2009/05/20
  • メディア: CD

ロシア管弦楽曲集

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  • アーティスト: ゲルギエフ(ワレリー),グリンカ,ハチャトゥリャン,ボロディン,リャードフ,チャイコフスキー,サンクトペテルブルグ・キーロフ歌劇場管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2000/04/26
  • メディア: CD


グリンカ&スヴィリドフ名曲集

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
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  • メディア: CD


エルミタージュ美術館の絵画

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  • メディア: 大型本

エルミタージュ美術館 秘匿の名画

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  • 出版社/メーカー: 講談社
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  • メディア: 単行本

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エルミタージュとサンクト・ペテルブルク (ユーラシア・ブックレット)

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  • メディア: 単行本


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TaekoLovesParis

まずDVDの値段をチェック、4500円、ぎょっ。
というわけで、リンクのサイトをクリックして、読みました。
りゅうさんが会話を紹介なさってるグレコの「聖パウロとペテロ」の前で
ふたりが絵を見てる写真もありました。グレコのこの絵は、シンプルに
ふたりの特徴を表していてすばらしい絵ですね。パウロは、禿げて本を
持つ、ペテロは白い髪と髭で天国の鍵を持つ。
絵の前で尋問されちゃうんですね。こわっ。。
本名キュスティーヌより、キュースチンの方が、キューレーター+ラスプーチンみたいな名前で、わかりやすいです。これ、りゅうさんの命名?

舞踏会でマズルカを踊る場面の動画を見て、この間見たNHKBSの「リゴレット インマントヴァ」を思い出しました。共にホンモノのお城を使って、昔を再現する舞踏会場面。シャンデリアきらめく大広間は、セットでは大変ですものね。こういう豪華さ、憧れちゃいます。

<仏像展で仏さまに手を合わせている方は何度もお見かけした>
→ え~っ!そういうものなんですね。
by TaekoLovesParis (2011-03-05 14:56) 

雅

時々あるんですが、りゅうさんのブログに入ろうとすると「インターネットサイトが開けません」という表示が出て、入れないことがあります。
今日は10回以上挑戦してやっと入れました。
なぜ?
90分1シーンってまたすごいですね。
89分30秒位でセリフ間違えたら、また最初からやり直し?
な訳ないですよねー。
by (2011-03-05 22:07) 

りゅう

○TaekoLovesParisさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
リンク先の写真にありますように、背の高いキュースチンが上から覆いかぶさるかのごとく問い詰め追いつめます。。。
しかも、ピンポイントで痛いところをついてきます。。。(T_T)

エンドロールの「声の出演」のところに「キュースチン」「闇の声」とありました。
フランスの外交官なので本名はキュスティーヌのようですが、ロシア語読み(?)でキュースチンとなっているようです。そして「闇の声」はソクーロフ監督自身。
いずれにしても彼らの名前は映画の中には一度も出てきません。(^_^;)

仏像も宗教画も本来の目的は信仰の対象であり、それらのうち歴史的文化的(芸術的)価値が見出されたものが美術館や博物館で公開されているわけですし、海外の美術館でも宗教画に祈りを捧げている方がいらっしゃると聞きます。そういえば、藤田嗣治の戦争画についても、作品の前で祈り涙を流すという話が藤田の本に記載されていました。
by りゅう (2011-03-05 22:11) 

りゅう

○雅さん、コメントありがとうございます(^o^)丿
自分でもログインできなかったり、保存ボタンを押したらエラーがでたり、
よくあることです。
これが曽根風呂品質でございます♪(≧▽≦)b
90分1カット、入念なリハを行って本番に挑んだ渾身の作品。
これは本当に凄いですよ、
是非是非、ご覧になってみてください。(^_^)/

○にいなさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2011-03-05 22:25) 

pistacci

つい最近、エルミタージュ美術館の改修の様子を放映していましたよ。
いつか見たいとはぼんやり思っていましたが、はじめてこれは行ってみたい、と思ったのでした。金箔を貼ったりして改修してるのです。
さぞや豪華でしょうね。
by pistacci (2011-03-05 22:57) 

kuwachan

こんばんは。
エルミタージュ美術館、いつか行ってみたい美術館のひとつです。
90分1カット、信じられませんが、あるんですね~。
基本的には字幕の方が好きですが、吹き替えの方がじっと画面を
見ていなくていいので楽な場合もありますよね。
by kuwachan (2011-03-06 01:04) 

poyoyon

90分1カットとは信じがたい作品ですね
だからこその素晴らしさがあるんでしょうね~
by poyoyon (2011-03-06 01:17) 

ぽんこ

エルミタージュ興味ありますね。
ロシアは特に建築物が見たいですね。
音楽では「ダッタン人の踊り」かな?
by ぽんこ (2011-03-06 09:19) 

りゅう

○pistacciさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
映画館の大きなスクリーンで見たら、まさに一緒に回っているような感覚でしょうね。堪能したかったなぁ。(^_^)
シェーンブルン宮殿に続きエルミタージュ宮殿も制覇しちゃいましょう♪
素敵なお姫様ドレスで優雅に踊りましょう♪(^_^)

○kuwachanさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
綺麗で見応えのある映像でした。
映像に集中できますので、吹き替え版も良いものですね。
ちなみにNHKのロシア語会話を見ていますが、ロシア語はサッパリです。
ナターシャさんの笑顔しか記憶に残りません。。。(^_^;)

○poyoyonさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
90分1カットはホントにホントに凄いですよー
もしかしたら瞬きしている間にだけカットが入るのかもです。
90分間瞬きせずにご覧ください♪(≧▽≦)b

○ぽんこさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
マエストロはノリノリで指揮していました♪
最近、チャイコフスキーが大好きだということに気づきました。(^_^)

○mickyさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○miyokoさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○SORIさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○伽耶さん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○laysyさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2011-03-06 22:52) 

りゅう

○りんこうさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2011-03-09 22:20) 

りゅう

○タッチおじさんさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2011-03-28 02:46) 

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