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ジャポニスム、名画とファッション [アート]

クロード・モネ《ラ・ジャポネーズ》(ボストン美術館蔵)


7月のボストン美術館展でモネ《ラ・ジャポネーズ》を鑑賞し、
あらためてモネの魅力に虜となった。

IMG_0339_500.jpg

ミニ睡蓮だが、うちでも睡蓮を育てている。
ちょうど開花時期だったので、まずモネの代名詞とも言うべき《睡蓮》に着目し、
モネの庭やモネの生活そのものについての本を読んだ。
ちなみに、モネの庭の睡蓮はミニ睡蓮と同じ耐寒性睡蓮。
(温室で熱帯性睡蓮も育てていたそうだ。)

ボストン美術館展&デュフィ展(http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2014-07-21

モネが見たもの食べたもの(http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2014-09-06

ボストン美術館展のタイトルは「華麗なるジャポニスム」
ジャポニスムというと真っ先にい思い浮かぶのはモネの《ラ・ジャポネーズ》
しかし、モネがジャポニスムをどど~んと前面に押し出したものはこの作品のみ。
もちろん、ジャポニスムの影響を受け、それを昇華させているので、
ジャポニスムを代表する画家の一人である。
その影響等をボストン美術館展では比較展示していた。


そこで、ジャポニスムとは何か?
単なる日本趣味であるジャポネズリーとジャポニスムとの違いとは?

その問いに対する答えが、この本だった。
国立西洋美術館館長、馬淵明子先生の「ジャポニスム 幻想の日本」
1997年出版だが、多くはそれ以前の展覧会カタログや雑誌に掲載されたもので、
それらを体系的にまとめ直したもののようだ。
解釈やアプローチ等、現在とは異なる部分も若干あるのかもしれないが、素晴らしい本だと思う。

ジャポニスム―幻想の日本

ジャポニスム―幻想の日本

  • 作者: 馬渕 明子
  • 出版社/メーカー: ブリュッケ
  • 発売日: 1997/09
  • メディア: 単行本

商品の説明
内容紹介
ジャポニスムは,19世紀末にヨーロッパやアメリカで,絵画,彫刻から工芸,建築,服飾など美術の領域や演劇・音楽・文学にまでおよんだ意外なほどに広く深い日本文化の受容と変容の現象です。
著者は,この芸術運動が「ヨーロッパの選んだ〈日本〉」を中心に営まれ,そこにはいろんな思いこみや誤解があったことを指摘しつつ,日本の「自然主義」がヨーロッパの「人間中心主義」を揺さぶることになった契機を,モネ,マネ,ゴッホ,クリムトらの作品に即して述べています。パリと東京で開かれた大規模な「ジャポニスム展」の担当者としての経験が隅から隅まで生かされた,しかもわかりやすい文章の「ジャポニスム」論の決定版です。
出版社からのコメント
1998年,第19回「ジャポニスム学会賞」を受賞しました。
内容(「BOOK」データベースより)
19世紀末のヨーロッパが選んだNIPPONとは?美術における「影響」を検証する。
内容(「MARC」データベースより)
19世紀末のヨーロッパが選んだNIPPONとは何か。ヨーロッパが何に関心を持ち、何を無視したのか。ヨーロッパが形成した日本のイメージをモネ、ゴッホ、北斎などを通して探り、美術における「影響」を検証する。


~目次~
1 ジャポニスムとは何か ―序にかえて
2 ジャポニスムと自然主義
3 モネの《ラ・ジャポネーズ》をめぐって ―異国への窓
4 A travers ―モネの《木の間越しの春》をめぐって
5 モネのジャポニスム ―自然と装飾
6 ゴッホと日本
7 クリムトと装飾
8 葛飾北斎とジャポニスム




こちらもとても興味深かった。
西洋におけるジャポニスムを体系的に捉えた本。
ただ、あまりにも広すぎちゃって・・・
あらためて、読み直そうと思う。

ジャポニスム入門

ジャポニスム入門

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 思文閣出版
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: 単行本

商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
開国と万博の19~20世紀、西洋芸術に革新をもたらした日本の美学。本書では、地域別の章立ての中で絵画、彫刻、工芸、素描、版画など、狭い概念での美術のジャポニスムについて述べ、それ以外に広くアートとして認められる写真、モード、建築、音楽にまで裾野を広げ各章をあてた。ジャポニスムを単なる美術運動としてだけでなく、広い文化現象として捉えることに視野をおいている。
内容(「MARC」データベースより)
ジャポニスムとは、西洋の芸術の諸分野にわたって与えた日本美術の影響をいう。19世紀後半から20世紀前半にかけて、西洋のほぼ全域にわたった、ジャポニスムの諸相を国別・分野別にやさしく解説。


~目次~
序・ジャポニスムとは何か 高階秀爾
Ⅰ 日本美術の海外流出―ジャポニスムの種子はどのように蒔かれたのか― 小林利延
  フランス・一八九〇年以前―絵画と工芸の革新― 三浦篤
  フランス・一八九〇年以降―装飾の時代― 宮崎克己
  イギリス―ゴシック・リヴァイヴァルから日本風庭園まで― 渡辺俊夫
  アメリカ―東回りとフェミニズムのジャポニスム― 岡部昌幸
  オランダ―出島の国のジャポニスム― 圀府寺司
  ベルギー―前衛芸術とジャポニスム― 高木陽子
  ドイツ―ユーゲントシュティールのグラフィックと工芸― 桑原節子
  オーストリア―総合的ジャポニスムの一例― 馬渕明子
  イタリア―その特異例と原因― 近藤映子
  北欧―スウェーデン、フィンランドを中心に― 荒屋鋪透
  中央ヨーロッパとロシア―チェコ、ポーランド、ハンガリーとロシアの場合― 遠藤望
Ⅱ 建築―外と内からの日本― 鈴木博之
  音楽―近代音楽の誕生とジャポニスム― 鶴園紫磯子
  写真―フランス、イギリスそしてアメリカの場合― 横江文憲
  モード―パリ・モードとジャポニスム― 深井晃子


この本で特に注目したのは「モード―パリ・モードとジャポニスム― 深井晃子」の章。
実はこの本を読む前に「名画とファッション」という画集を読んでいた。

そこで、さらにこちらの本も読んだ。

ジャポニスムインファッション―海を渡ったキモノ

ジャポニスムインファッション―海を渡ったキモノ

  • 作者: 深井 晃子
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 1994/05
  • メディア: 単行本

商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
20世紀西欧の新しいファッションを生み出す原動力となった日本趣味。現代も高田賢三、三宅一生など日本人デザイナーたちによる新たな衝撃が世界を揺さぶり続ける。初めてファッションからジャポニスムを解読した話題の書。
内容(「MARC」データベースより)
江戸から明治に西欧へ渡ったキモノにパリ・モードは衝撃を受けた。それは現代の賢三や一生の活躍につながる。日本文化がモードの世界に与えた影響を豊富な図版を駆使して描く。ファッションからジャポニスムを解読。


~目次~
プロローグ
第一章 異国趣味―江戸の紋様をつけたヨーロッパの室内着
第二章 ジャポニスム―十九世紀ヨーロッパに沸き起こった日本趣味
第三章 絵画の中の着物
第四章 キモノはドレッシングガウンだった
第五章 リヨンの絹織物デザインとジャポニスム
第六章 洋装事始
第七章 お菊さん・サダヤッコ、異質の美の発見
第八章 ヨーロッパの見返り美人
第九章 見出された美しいからだ
第十章 東と西を越えて
エピローグ


モネ《ラ・ジャポネーズ》に注目するということは当然、
あの赤いキモノに注目するということになる。
そして、あの構図、ポーズは、
2月に鑑賞した菱川師宣《見返り美人図》を連想させる。
そう、これはつまり、帯や着物の柄を見せるための構図。
モネが《見返り美人図》を見聞きしていたのかどうかはわからないが、とても興味深い。
ともに赤色という点でも。

菱川師宣《見返り美人図》(東京国立博物館蔵)


大浮世絵展おでかけ記録
http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2014-02-19


★。、:*:。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。、:*:。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。、:*:。.:*:・'゜
 
モネ《ラ・ジャポネーズ》を鑑賞していて、ふと気になったことがある。
今まで肖像画というと、その人物や表情、ポーズにばかり目がいっていた。
ドレスの色合い、光沢や襞が綺麗だとか、その程度で、
描かれている衣装そのものにはあまり注目してこなかった。
シシィ(皇妃エリザベート)等、衣装そのものに注目して鑑賞した作品はかなり少ない。

フランツ・クサファー・ヴィンター・ハルター《オーストリア皇妃エリザベート》(国家家財管理局 宮廷家財庫 ウィーン家具博物館蔵)


THE ハプスブルク展(http://ryuu.blog.so-net.ne.jp/2010-04-20

ボストン美術館展の後、ラウル・デュフィ展を鑑賞した。
デュフィはポール・ポワレのデザインを手がけている。
ポワレは女性をコルセットから解放したデザイナー。
当然、このデザインの変化は絵画の中の衣装にも変化をもたらす。


そこで、描かれている衣装に着目した本はあるのだろうかと気になり、
図書館で検索し手にしたのが、先ほど少しふれたもの。
服飾の専門家による本。
いわゆる美術史家とは異なる視点でとても新鮮、興味深い内容だった。

名画とファッション (ショトル・ミュージアム)

名画とファッション (ショトル・ミュージアム)

  • 作者: 深井 晃子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 単行本

商品の説明
出版社からのコメント
ピアスをした国王の肖像画、19世紀にヨーロッパで大流行したキモノなどを名画はさりげなく描いている。しかしその裏には意外な事実が秘められている。美術史と服飾史を専門とする著者による名画の新しい鑑賞ガイド。 内容(「BOOK」データベースより)
名画中の人物のコスチューム、アクセサリー、インテリアはその社会的地位、心理までも表現している。今までの美術書では無視されてきたこれらの点をファッションを中心としてガイドする。


~目次~
1章 究極のお洒落
2章 近世の伊達ものたち
3章 美の女神たち
4章 パリとモデルニテ
5章 近代化の光と陰
6章 小さな天使たち
7章 異境への夢
ぜひ見ておきたい世界のファッション美術館
あとがき


「 それにしても、今まで日本の美術研究者は語らず、というより無視した絵画の中の服飾。ファッションは移ろいやすく表層的、普遍性に欠ける個人的なものと見捨てられた。しかしまさにその理由で時代の、そしてその人の思いが凝縮されている。着るものはどんな時代にも人間の最も身近な存在だった。美しく、強く、あるいは金持ちに見られたいと様々な思いを託された服装の、豪華な絹織物や清潔な下着、贅沢な宝飾品を本物どおり、時には少しだけ見栄えよく描かなければ、画家失格だった。
 ところで、モデルが着る服はどう選ばれたのだろうか? ヴァン・ダイクは個人的な好みを出したそうだし、ブーシェは素晴らしいスタイリストだった。ヴィンターハルターは忠実に衣装を描いた。
 十九世紀、現代的意味を持つようになるファッションを印象主義の画家は見逃さない。近代という時代がもつ新しい美〈ファッション〉に大きな関心を寄せた。だが芸術家の探究がより自己の内面、身体へと向かう二十世紀、ファッションや風俗を切り取るのは写真になる。(P126 『あとがき』より)」


そう、まさにその通り。
ファッションは移ろいやすいもの。
服が変われば、宝飾品や持ち物も変わる。
流行りものにものすごい勢いで飛びつき、潮が引くようにさぁーっと引いていく。
熱しやすく冷めやすい日本人にとっては痛いほど良くわかる。
王族、貴族の間だけで流行ったものなのか、一般市民にも広まったのか。
一時的なものなのか、普及し定着したものなのか。
ファッションの変化、それは時代を反映するもの、社会情勢を反映するものでもある。
写真の無い時代、それを絵画として描き残すということは、
記録画としての役割を果たすこととなる。


さらにこちらも読んだ。
2009年出版の新書。
新書だが、カラー図版が多い。
(ちょっと話はそれるが最近の新書ってなんか凄いなぁと思う。)

ファッションから名画を読む (PHP新書)

ファッションから名画を読む (PHP新書)

  • 作者: 深井 晃子
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2009/02/14
  • メディア: 新書

商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
『青いターバンの少女』のターバンや耳飾り、『モナ・リザ』の黒衣、印象派が描いたパリジェンヌの美しい洋服。いわずと知れた傑作も、「装い」に目を向ければ、隠された魅力が見えてくる。絹の光沢にビロードの艶、贅をこらした装飾、流行のシルエット、鮮やかな色彩、衣擦れの音が聞こえてきそうな質感…。はるかなる時を超えて、絵の中のドレスは語る。そして私たちは知るのだ、画家の情熱にモデルの誇り、時代の輝きと、そこに生きた人々の息づかいを。服飾・美術研究の第一人者がいざなう、新しい絵画の楽しみ。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
深井/晃子
服飾史家。京都服飾文化研究財団理事、チーフ・キュレーター。お茶の水女子大学大学院修士課程修了後、パリ第4大学大学院で美術史を学ぶ。キュレーターとして、京都国立近代美術館他におけるファッション展「華麗な革命」(1989年)、「モードのジャポニスム」(1994年)、「COLORS」(2004年)などを企画監修。これらはパリ、ニューヨークなどの美術館へ招聘され高い評価を得る。2009年には「ラグジュアリー、ファッションの欲望」展を開催。主な受賞は、1999年度ジャポニスム学会特別賞、2008年度文化庁長官表彰など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


~目次~
プロローグ―美術史が見なかったもの
第1章 人を描く、服を描く~肖像画とファッション
第2章 風俗画の愉しみ~活き活きと生きた市井の人々
第3章 描かれた布
第4章 色は世につれ人につれ~時代と色
第5章 ディテールは語る
第6章 近代パリ風景~「見る/見られる」
第7章 印象派の画家たちとパリ・モード
第8章 コルセットをめぐって~描かれた下着
第9章 絵画から消えたモード~モード画の誕生
エピローグ―もう一つの角度からの美術史
  あとがき 作品一覧 文献一覧



以前、テレビのトーク番組で、NHK時代劇「篤姫」のオープニングの映像は、
クリムトの作品をモチーフにしていると話していた。
ほぼ同じ時代を生きた篤姫とクリムトの同時代性に注目したとか話していたように思う。
クリムトの描くファム・ファタールに篤姫の生き様が重なったのかもしれない。
そのクリムトの作品は琳派の影響を受けているといわれる。
琳派の装飾性がクリムトによって昇華され、
それがあの綺麗なオープニング映像へと思うとなかなか興味深い。

印象派は日本の浮世絵から多くの影響を受けた。
その印象派の画家の下へ、梅原等日本人洋画家が学びに行った。

17世紀、「ヤポンス・ロック」と呼ばれ上着のように着物を羽織ったオランダ。
19世紀、「キモノ」が室内着をさすようになったフランス。
振袖にふわふわのショールやブーツを合わせて成人式に出席する、現代日本。

衣装はその時代を、社会情勢を語る。
3割増し位で描かれた肖像画、古典的な細密描写、印象派の荒いタッチ、フォーヴの大胆な色彩、
画家の個性が強く表れる。
そして、洋の東西を行ったり来たりして互いに影響しあい昇華していく。
現代はインターネット等で瞬時に情報が共有され均一化画一化されるが、
タイムラグがあったからこそ、様々な変化が生まれ再発見があったように思う。

普段とは違った視点から絵画を捉えた本を読んで、
絵画の見方が、楽しみ方が広がった♪

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コメント 5

kuwachan

残念ながらこの展覧会見逃しちゃったのです。
近くでやっていたのに・・・(>_<)
by kuwachan (2014-12-07 23:26) 

りゅう

○kuwachanさん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
ボストン美術館展、作品はもちろん展示構成が素晴らしかったです。
そこで触発されいろいろ読んでみました♪
ここに載せていないものもありますので、
いっぱい読んだなぁ、よくこんなに読んだなぁって感じです。ヾ( ̄ー ̄)ゞ

○uminokajinさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○ぽんこさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○makimakiさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○にいなさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○TaekoLovesParisさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○げいなうさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○kiyoさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○風船かずらさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○ネオ・アッキーさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○nikiさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿

○miyokoさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2014-12-14 14:50) 

雅

実は8月にジャポニズム展、娘とデートで見に行きましたよ。
あのモネの絵には圧倒されましたね。

by (2014-12-14 22:43) 

りゅう

○雅さん、nice!&コメントありがとうございます(^o^)丿
あんなに大きいとは思いませんでした!
修復を経たばかりということでとっても綺麗でしたし、
カミーユさんもチャーミングで素敵でしたね。
見惚れちゃいました♪
絵がお好きなお嬢さんですから、
とっても良い刺激を受けたのではないでしょうjか。
横浜発上野経由、左団扇行き☆印税生活♪ヾ( ̄ー ̄)ゞ
by りゅう (2014-12-21 01:30) 

りゅう

○naonaoさん、nice!ありがとうございます(^o^)丿
by りゅう (2015-01-06 00:47) 

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